EVENT 2020.12.02
コンテンポラリーダンスフェスティバル「Dance New Air 2020→21」で、大平貴之が世界で活躍するダンサーの湯浅永麻さんとコラボレーションします。「湯浅永麻 × 大平貴之『 n o w h e r e 』」と題して、空間プロデュースを担当。MEGASTARを使ってステージに宇宙空間を作り出します。
2000年にスパイラル(東京・青山)でMEGASTARを国内初公開してから20年という節目の年に、当時のスタッフが再び結集し、本企画が実現しました。
12/7(月)チケット発売開始!
料金: 一般:4,000 円 U24/O65/港区在住・在学・在勤:3,000 円
湯浅永麻 × 大平貴之『 n o w h e r e 』
2020年に世界中を巻き込んだ試練は、パフォーミング・アーツの存在意義を見つめ直す機会となりました。
人と人、国と国、ジェンダー、人種、民族、宗教の問題、そして生と死について。
これまでも私たちの目前に数多の問題がありましたが、新たな先行きの見えない状況は驚くほどの勢力で私たちを阻んでいます。
しかしながら、全世界に同じ問題が降り掛かったこのタイミングこそ、新しい芸術・表現が創生される時なのです。今こそ、これらに向き合い、作品を通して社会に強いメッセージを発信してきたアーティストが活躍する時なのです。
100年後、300年後、500年後の人々が2020年を振り返った時に大きな転換点として示されることを志し、Dance New Air 2020→21はこの貴重な瞬間のダンスを世界に発信します。
この年末、Dance New Airは様々なボーダーの問題を自身の表現に織り込んできた湯浅永麻によるプロジェクトから派生した作品を上演します。10代から海外で様々なバックグラウンドを持つダンサー・振付家たちと協働してきたことが、彼女の表現に強い信念を与えています。
プラネタリウムマシーン「MEGASTAR(メガスター)」が映し出す何百万もの星々が奏でる時間は、太陽や天気、人工の光によって目に見えないだけで、常に私たちの周囲に360度ぐるりと存在していることを気づかせてくれます。
それは「どこでもない場所(nowhere)」であり、その反面「今、まさにここに(now here)」という地点でもあります。
壮大な宇(そら/コスモス)と悠久な宙(時間/過去・現在・未来)の間に在る2人の女性の「今」を見て、眩い宇宙と忙しい日常という2つの「現実」の狭間に在る私たち一人一人の「今」に目を向けてみてください。
それは人の数、存在する物の数だけあります。
無数の星のようにー
パフォーマンス
2020年
12月24日(木) 18:30 door open 19:30 performance start
25日(金) 18:30 door open 19:30 performance start
26日(土) 14:00 door open 15:00 performance start
27日(日) 14:00 door open 15:00 performance start
※メガスター空間はパフォーマンスが始まる1時間前からご覧いただけます。
アフタートーク
12月26日(土)
湯浅永麻、大平貴之、柿崎麻莉子
ゲスト:中野信子(脳科学者/医学博士/認知科学者)
会場:スパイラルホール(スパイラル3F) 東京都港区南青山5-6-23
演出・出演:湯浅永麻
出演:柿崎麻莉子
空間プロデュース:大平貴之
舞台監督:原口佳子
照明:田代弘明(DOTWORKS)
音響:浮岳厚(株式会社ストーリー・レーン)
宣伝美術:太田博久
Message
湯浅永麻(演出・出演)
私たちは奇跡と呼ばれる地球で奇跡の確率で生まれいつかは死を迎えるという『現実』を知っていますが、毎日の生活という『現実』をこなす中ではそれは霞みがかってしまいます。
2020年、私はまさに立ち止まって空を見上げて、満天の星空に気づく様な時間を過ごしました。
それは、自分の居られる場所、日々の微妙な移り変わりに目を向ける中で、遠い大切な人達を想い、世界中で起こる様々な出来事などに、一人の人間としての視点から、今何処に在って、何に影響されてどう自分が突き動かされるのかを強く見た日々でした。
大きな流れの中では、屑のような毎日の些細な事に翻弄される私たちは、
愚かだが同時にその一瞬一瞬を愛しく思う事も出来る
私と柿崎麻莉子さんのそれぞれの小宇宙で流れる時間での『今』の位置
nowhere
それは全く違う『現実』で、人の数、存在する物の数だけそれはある
無数の星のように
大平貴之(空間プロデュース)
僕はこの場所で、天文学の話をしたいわけではない。
ただ「宇宙に無数の星がある」というシンプルだけど深淵なメッセージをよどみなく伝えたい。
宇宙のスケールの大きさ、膨大な星がひしめく銀河宇宙の中で私たちはあまりに小さな球体に佇んでいること。
他の誰かを常に探しているが見つからないこと。未来も知ることができないこと。そして孤独な事。
もし宇宙で誰かを見つけることができたら、時間と空間の両面で閉ざされた私たちは、ここから出ることができるだろうか?そしてそもそも我々はどういう存在なのか?このことを自身に問いかけてもらいたいと思う。
私は、「個人」というものを「地球」という存在に置き換えてもいいと考える。
個人=惑星。
来場者ひとりひとりが、地球という個人に成り代わって、宇宙の深淵に耳を澄ませ、誰かの声を聞き分けるような感覚が描けたらと思う。